『チェーザレ 破壊の創造者』は講談社の「モーニング」にて連載中の累計140万部突破の大ヒット歴史漫画。
15世紀のルネサンス期のイタリアを舞台とした歴史ロマン大作です。
2020年4月明治座にて、中川晃教さん主演でミュージカル化が決定!
筆者はこの手の青年誌の歴史作品が大好きです。同じくミュージカル化が決まった『イノサン』とかね!
『チェーザレ』も存在は知っていたのですが、読んだことはありませんでした。
がしかし、今回あのアッキーこと歌うま怪人こと天才こと中川晃教さんが主演になると発表があり「これは原作予習しないと」と、アマゾンでポチり。
届きました(重い)
そして読みました。感想はのちほど!
✦追記✦全キャスト発表されました!
もくじ
いまさらだけど中川晃教ってこんな人
Octavia Recordsエクストン・ラボラトリィー・ゴールドラインより、
本日リリース「中川晃教 弾き語りコンサート2016 in Hakuju Hall」聴いていただけたら嬉しいです!
みなさん応援を宜しくお願いします!
収録されている楽曲のエピソードもツイートしていきます〜お楽しみに!
先ず完成版手に胸熱↓ pic.twitter.com/GoPfLa3ngw— 中川晃教 (@nakagawa1982aki) February 20, 2019
ミュージカルによく行く人なら知っているかと思うけど、原作ファンだとかミュージカル初心者の方は知らないかもしれないので簡単に紹介します。
もともとは2001年に「I WILL GET YOUR KISS」という楽曲でデビューしたシンガーソングライターでした。なんと18歳で自身の作詞作曲でデビュー。
歌声がマイケル・ジャクソンに似ているだの、歌が上手すぎるだの、日本人離れした才能に世間はザワザワ。
2002年に当時日本初演であったミュージカル『モーツァルト!』でいきなり主演のヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトを熱演。
読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞、文化庁芸術祭賞新人賞、月刊誌ミュージカル男優部門第一位・・・などなどなど、とにかく新人としては異例の賞総なめ。
それから現在まではシンガーソングライターとしてもミュージカル俳優としても両立して活躍しています。
ちょっと変わった人だけどたぶん超いい人です、きっと。
原作の漫画を読んでみたよ
最新刊は2019年6月発売の12巻ですが、1巻から11巻セットを買ったのでとりあえず11巻まで読みました。
表紙は小説っぽいですが、漫画です。
あらすじと登場人物
超簡単に説明すると、次期教皇の座を奪い合う物語です。ただし、実際には学生たちの青春ストーリーという要素も強めかな。
主な登場人物はアンジェロ・チェーザレ・ミゲルの16歳の大学生男子3人。
アンジェロ
田舎から名門大学に進学してきた16歳の青年。
大学の派閥の中で、入学を支援してくれた恩人の団員に所属することになるのですが、世間知らず&空気を読めないゆえに目の敵にされてしまう。
そんな状態のアンジェロを救ったのがもう一つの派閥のリーダーかつ、タイトルロールのチェーザレ。そして、2人は次第に仲が深まっていきます。
ハリー・ポッターで例えると、スリザリン生としてホグワーツに入学したけどグリフィンドールの人気者と仲良くなっちゃった、みたいな感じです。
周囲の顔色ばかりうかがい大半の生徒たちとは打って変わって、空気を読めずに自由に発言し飄々としており、物語を動かすきっかけをつくるトラブルメーカーでもある。
アンジェロは田舎から大学に出てきた世間知らずなので、序盤は何も知らないアンジェロがカタカナ用語について周囲に聞きながら理解していくという進み方。
そのため、読者もアンジェロと一緒にこの世界の情勢や用語の意味を「ふむふむなるほど」同じ歩幅で理解していけるわけです。
ファイナルファンタジーXをプレイしたことある人なら伝わると思うんだけど、へんぴな場所からやってきた何も知らない主人公とプレイヤーが同じ目線でその世界を理解していく構成をとっているんです。
ですから、慣れないカタカナ用語のオンパレードとはいえ、アンジェロ君がちゃんと「これは一体どういう意味?」と聞いてくれるのでご心配なく。
チェーザレ
貴族である華麗なるボルジア家に生まれたものの、庶子(しょし)として生まれた青年。
庶子とは、正当な婚姻外から生まれた子供のこと。チェーザレの父親は聖職者であり、当時聖職者はキリスト教と結ばれるため婚姻はタブーであった。
庶子はキリスト教の世界では認められない不義の子供。そのため、チェーザレはいくら出世しても政治の表舞台に立つことはできない。
大学ではチェーザレのカリスマ性と美しさと社交性で皆を魅了してしまう天性の人たらし。本人は計算でやっているようだけど、おそらく生まれ持っての才能。
一方で16歳の子供らしい好奇心旺盛な側面があったり、荒々しい武闘派な一面があるところも魅力のひとつ。
序盤の絵柄ではまだ丸みのある容貌ですが、後半からは彫刻のような美青年に進化を遂げていきます。
チェーザレは賢く素直で行動力のあるアンジェロを手駒として扱おうとするんだけど、アンジェロの天性の純朴さと隠れたカリスマ性にほだされることも多々あり。
ちなみに、かの有名な英雄カエサル(Caesar)のイタリア語読みが「チェーザレ」
ミゲル
幼い頃からチェーザレに仕える青年。
7歳の時にチェーザレの世話係の一人として孤児院からチェーザレが暮らすボルジア家に引き取られて以来、チェーザレとは幼馴染のように仲良く育ってきた。
一応主従関係ではあるものの、ほとんど友人のような関係性。『ベルサイユのばら』で例えるならチェーザレがオスカルでミゲルがアンドレ。
6巻に幼少期の二人の回想があるんですが、小さくてお目目くりくり・ぷにぷに頬っぺたの二人が可愛い。
猫っぽい釣り目にクールな容貌だけど意外とフランクで面白いやつ。筆者的には作中で作中で一番性格が良いと思います。
他にも3人の大学の学生やら権力者のおっさん連中やら色々登場しますが、基本的にはずっとこの3人中心に進んでいくので、この3人を押さえておけばOKです。
ようは中世ヨーロッパ版のズッコケ3人組。
感想① 専門用語のオンパレード
パルスのファルシのルシがパージでコクーン状態(伝わる人だけ伝わって)
歴史ものには付き物ですが、この作品は特段にカタカナの専門用語のオンパレード。作品を楽しむ楽しまないの以前に、用語を理解しつつ読み進めていくのが結構大変でした。
前述したとおり、世間知らずにアンジェロ君が周囲に質問する形式で進んでいくので、用語の説明は逐一あるんだけど、それにしてもヤヤコシイ。
「あれ?この用語はどんな意味だっけ?」ということが多々発生。
単純に筆者がアホなのかもしれませんが、観劇予定の方は絶対に予習していったほうがいいです。3巻くらいまで読んでおけば用語と地理は大体頭に入るはず。
感想② ミュージカル映え間違いなし
教会での荘厳なシーンもあり、学生たちの青くさい青春シーンもあり、「ここミュージカル映えするだろうなぁ!」と思うシーンが読んでいて多々ありました。
中盤の魅せ場として学生たちの模擬戦。これは学生たちが馬に乗って本物ではない槍や刀で戦闘するんだけど、舞台上ではこれはどう表現するんだろう?
馬に乗らない戦闘として再現するのかな?それとももしかして全カット?
それまで常にクールで優雅な立ち回りをしていたチェーザレが初めて泥臭くもカッコいい姿を見せるシーンだから結構重要なんだけどね・・・
ミュージカルに付き物の恋愛要素だけは悲しいくらい少ないですけどね。
キャストを勝手に当てはめてみた
実は2019年8月現時点ではキャストは中川晃教さんとしか発表されていません。
そのため、タイトルロールであるチェーザレ役が中川さんとは限らないのです。ということで勝手にキャスティング。
・アンジェロ:中川晃教
・チェーザレ:加藤和樹
・ミゲル :井上芳雄
中川さんはやはりタイトルロールのチェーザレ役なのかなぁと思いますが、アンジェロのほうが圧倒的に合ってる。そもそもチェーザレはアンジェロより長身という設定だし。
純真無垢で空気の読めない発言をするけど悪気は一切なく、いつも後で後悔。でもその発言は常に真理を突いているもので、周囲のものは実はアンジェロのことを「あいつ何者?」と心の奥底で感じている。
本作の登場人物の中では唯一の良心の塊と言っていいほど優しく慈悲に満ちた性格の持ち主。”天使”という意味のアンジェロという名前を持つだけある。
どう考えても中川さんはチェーザレじゃなくてアンジェロだよなぁ、と思ってしまう。アンジェロなら超ハマり役。
昼公演終了〜
西川貴教さんとサムシング・ロッテン!絶賛公演中です^_^
すべてをかっさらっていくようなあの歌声、そして笑いに、終始腹筋が痛い俺。本日夜の回、貸切公演です! pic.twitter.com/LhFf8kqkYF— 中川晃教 (@nakagawa1982aki) December 23, 2018
『サムシング・ロッテン!』の茶髪のくるくるパーマの中川さんがアンジェロっぽい。
一方、チェーザレは美形で天性の人たらし、ということで加藤和樹さんがめっちゃハマるんじゃないかと。
おはよう🌞今日は一日撮影day。たくさん撮ります。撮るったら撮るんです。お楽しみに(^^) pic.twitter.com/AZe1bYAQld
— 加藤和樹 (@kazuki_kato1007) July 18, 2019
チェーザレは男にも女にもモテるタイプで、一見クールなカリスマ的存在なんだけど実は結構おちゃめな所もあって、超真面目で几帳面。
序盤はわりと幼い顔つきのチェーザレですが、司教就任以降はまるで鷲の彫像のような鋭い顔つきになり、男も女も魅了する美青年に。
彫刻っぽいといえば筆者の中では加藤さん。
『フランケンシュタイン』『怪人と探偵』に引き続き、加藤&中川シリーズでいいんじゃないでしょうか。
完全に外見だけで言えば藤田玲さんにも見える。
でもやはりタイトルロールの人物ということで中川さんがチェーザレ役になるんでしょうが、うーん・・・
たしかにこれまで『モーツァルト!』のヴォルフガングしかり、数々の天才役を演じてきた中川さんですが、チェーザレはあまり合わない気がする。
中川さんが演じる天才役って、天才といえどあまり周囲と協調性が無かったり、場をかき乱しがちだったり、そういう破天荒タイプの孤高の天才役が多い。
チェーザレは社交性100点のコミュ力おばけだから、ちょっと違うんだよなぁ。
ミゲルは細身でスラっとした猫目ってことで井上芳雄さん・・・
3番手の役どころに井上さんはありえないけど、ぴったりだと思うんですよね~。
原作漫画読んでて途中からミゲルの声が完全に井上さんで再生されてます。
とまぁ、勝手にキャスティングしたものの、おそらくチェーザレ役は中川さんで他のキャストは公演規模的に若手イケメン俳優たちになると予想。
権力者のオッサン連中たちのキャスティングも地味に期待してます。
宝塚版のチェーザレ
実は史実のチェーザレ・ボルジアの生涯は宝塚歌劇団によって1997年に舞台化されています。タイトルは『チェーザレ・ボルジア -野望の軌跡-』
『チェーザレ・ボルジア -野望の軌跡-』
■本公演
チェーザレ:久世星佳
マキャヴェリ:真琴つばさ
ルイ12世:姿月あさと
ミケロット:汐風幸
アレッサンドロ6世:箙かおる
カテリーナ:夏河ゆら
■新人公演
チェーザレ:成瀬こうき
マキャヴェリ:大空祐飛
ルイ12世:水夏希
ミケロット:大和悠河
アレッサンドロ6世:樹里咲穂
カテリーナ:檀れい
うーん、すごい出演者。
劇場情報
■劇場:明治座
■住所
〒103-0007
東京都中央区日本橋浜町2丁目31番1号
■アクセス
都営地下鉄の場合
・都営新宿線浜町駅A2番出口すぐ
・都営浅草線人形町駅A3・A4出口徒歩7分
東京メトロの場合
・日比谷線人形町駅A2番出口徒歩7分
・半蔵門線水天宮前駅7番出口徒歩10分
まとめ
現時点では「中川晃教さん主演でミュージカル化」としか発表されていないですが、なんにせよ楽しみです。
原作はまだ未完だけど、最後どうやって締めるんだろう・・?
というか史実のチェーザレの生涯を考えると12巻どころじゃまだまだ終わらないような。
ミュージカルあるある「えーっ!?ここで終わりかい!!」になる予感しかしない。