エリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエ。
彼女は19世紀のオーストリア=ハンガリー帝国の皇后であり、日本ではミュージカル『エリザベート』の主役・皇后エリザベート(愛称:シシィ)ととして有名である。
そんな彼女と唯一食事をした日本人がいました。
答えを先に言うと、岩倉具視です。旧500円札の人。

500円札の岩倉具視
1873年のことでした。この年にウィーン万国博覧会が開かれ、日本庭園が造られています。使節団の一員としてウィーンを訪れ、皇帝夫妻に謁見した岩倉具視は、宮廷の会食でエリザベートの横に座ったそうです。

ウィーン万博博覧会全体図
ドタキャンの女王の彼女と、しかも宮廷行事嫌いの自由人と会食できるなんて相当幸運に違いない。
エリザベート19歳172cm、岩倉具視48歳、160cm。親子ほど離れた年齢の2人。エリザベートと岩倉具視は何か話したのでしょうか。気になりすぎます。エリザベートはよくわからん遠い異教の国のよくわからん小さいおっさんと会話なんてしたくなかったと勝手に推測してます。

ウィーン万博博覧会の日本庭園
オーストリアと日本は今でも仲の良い国同士ですが、1869年にはオーストリア=ハンガリー帝国の軍艦が長崎に入港し、オーストリアの使節団は日本で大歓迎を受けました。修好通商条約もこの年に締結しており、日本とオーストリアの友好関係はこの時から始まったのでしょうかね。
そして、ウィーン万国博覧会は日本が正式に国として参加した初めての外国の万博でした。日本文化の古い歴史的なものを展示するだけでなく、お土産用として工芸品も販売したことが好評だったとか。
また、この時エリザベートは日本人の大工が檜(ひのき)をひいた鉋屑を女官に命じて持ち帰ったそうです。檜の香りに興味を示したのでしょうか。

ひのきの鉋屑ってこんなの
しかし鉋屑に興味をもつなんて好奇心旺盛で変わり者のなんとも彼女らしいエピソードだと思います。
まとめ
謎めいた魅力と圧倒的な美貌を持つ皇后エリザベートが日本人と会話したことがあるなんて、なんだか不思議な感じがします。
タイムスリップしてその時のエリザベートに「その隣の日本人の国では役100年後にあなたを題材にした劇が大人気なんですよ」と伝えたらどんな反応をするんでしょうか。自慢の美髪は再現されているのかなど美貌に関することで質問攻めにされるんでしょうか。それともフーンくらいで終わるんでしょうか。なんとなく後者のような気がします。