レミゼラブル

レミゼラブルをもっと楽しむ豆知識②マリウスと司教の意外な接点?

2019年5月8日

 

 

ミュージカル『レ・ミゼラブル』の隠れたキーマンであるミリエル司教。

司教はレミゼラブル界、いやミュージカル界No.1聖者である。

 

本記事では、知っているともっと面白い?そんなミリエル司教についてちょっとだけまとめています。

 

 

ざっと人物説明

 

物語冒頭、19年間投獄されていたバルジャンはシャバの空気を吸う喜びもつかの間、行く先々で前科者としてひどい扱いを受けます。

農民たちにボコボコにされて当ても無く彷徨っていたバルジャンを優しく館に迎え入れるその人物こそ司教

 

司教から寝床だけでなくパンとワインも分け与えられとにかく優しい施しを受けましたが、なんと食器を根こそぎ盗んで逃げるバルジャン。

とんだ不届き者である。

 

でもしょうがない、19年も投獄されバルジャンは人の心を失っていたのです。

しかし逃げた矢先近隣住民に見つかり、これまたボコボコにされます。お前が司教の客で食器を貰っただと?嘘をつくな!とバルジャンを追い詰める住民たち。

 

そこで司教が駆けつけて、住民たちとバルジャンにこう言い放つのです。

お急ぎなされて 忘れましたな

何よりのものを差し上げたのに

疑い晴れたらお戻りなさい

神の祝福がありますように

 

この司教の言葉によって散っていく住民たち。

唖然とするバルジャンに膝をつき、まっとうに生きるのだ、と目を合わせて強く語りかけます。

 

この司教の行いにガーンと胸を打たれたバルジャンは真人間として生きる決意し、身分証明書を豪快に破り捨てます。

 

「いいもん手に入れたぜ!さっそく金に換えてまずはパーッとシャバを楽しむぜ!」とならなくて本当によかった。

 

 

そして、ここでバルジャンが歌う大ナンバー♪独白の最後でバルジャンが

「生まれ変ーわーるーのーだーーツ!!」

と超ロングトーンで〆るのが見せ場ですが英語版は”Another Story must begin!”という歌詞。

 

"ジャン・バルジャン、新章突入"という響きが本当にかっこいいんですよね!

そして、この直後に♪チャラララチャラララというレミゼのあの有名なメロディーが流れる。

初見の人が最初に「おぉ!」と思うシーンのひとつだと思います。私も作中1位2位を争うお気に入りのシーンです。

 



 

作中屈指のキーパーソン

 

司教はバルジャンの運命を大きく動かした司教は作中でも屈指のキーパーソン。

ですがミュージカルではプロローグの最初10分ほどしか出番はないです。

 

しかし、映画版『レ・ミゼラブル』では最後にもひょっこり登場します。

バルジャンの最期、ミュージカルではエポニーヌとファンテーヌがお迎えに来ますが映画ではファンテーヌと司教になってます。(なぜ変えた・・・)

司教自体は好きだけど女性二人の和声がめちゃくちゃ綺麗に響いて泣けるので私はエポニーヌ派です。

 

でもバルジャン目線ではエポニーヌが出てくるのはちょっとおかしいっちゃおかしいんですよね。あまり接点がなかったので。

観客として思い入れの深いエポニーヌか、それともバルジャン自身として思い入れのある司教か。どちら派かはレミゼファンひとりひとりによってだいぶ違うはず。

 

そして映画版で司教を演じた俳優はなんと過去に舞台でジャン・バルジャンを演じてました。

 

 

マリウスと司教の意外な接点?

司教がバルジャンを教会へ向かい入れるときに歌う

さあ入りなさい おもては寒い

というメロディーは物語の終盤マリウスが歌う♪カフェソング

言葉にならない 痛みと悲しみ

と同じメロディーです。

 

最初にこのメロディーが登場するときは人が人を思いやり受け入れる慈悲のシーンだったのに、最後には誰もいない場所でたった一人嘆き悲しむシーンで歌われているのがなんだか物悲しい。

 

 

そして、マリウス&司教だけでなく作中出会ったことのない人々が同じメロディーを歌うことも、レミゼの音楽の面白さの一つです。

例えばファンテーヌが歌う♪夢やぶれての「夢は悪夢に狼の牙が」と♪One Day Moreのエポニーヌ「今日もひとりよ 振り向きもしない」は同じメロディー。

作品上では出会わない人物同士が音楽では接点を持っていることはミュージカルの大きな魅力です。

 

ミュージカルに興味の無い人はミュージカル好きがよく言う観劇のたびに新しい発見があるという言葉になかなかピンとこないでしょう。

しかし『レ・ミゼラブル』という作品は聴くたびに「あ!ここも同じメロディー!」と気づくんですよね。それが面白いんだなぁ。

 

ミュージカルに登場する司教=悪役?

ミュージカルはヨーロッパの歴史を扱った作品が多いため、数々の作品で司教が登場します。

 

・『マリーアントワネット』のロアン大司教
・『ジキル&ハイド』のベイジングストーク大司教
・『モーツァルト!』のコロレド大司教

 

これ全員、ヴィランズです!

ほかにも『三銃士』のリシュリュー枢機卿とか、『ノートルダムの鐘』のフロローとか、ミュージカルにおいて聖職者ってだいたい悪役ポジションなんですよね。

レミゼのミリエル司教は近年まれにみるホンモノの聖人ですね。

 

まとめ

ミュージカルの登場人物でミリエル司教を超える聖者はいないんじゃないでしょうか。

司教が登場するプロローグがいちばん好き、というレミゼファンも多いですよね。

 

聖女のような美しい女性ではなくておじさんがおじさんを救うというところが個人的にたまらなく感動するポイントです。

 

 

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