ミュージカルが好きだと公言すると必ずと言っていいほど遭遇する問答があります。ダントツで一番多いと思うのはこれ。
もう100%と言っていいほど発生する「ミュージカル?劇団四季とかですか?」というコミュニケーション!
「ミュージカル好き=劇団四季が好き」という方程式が世に定着しているような気がします。
ミュージカル=全て劇団四季ではない!東宝系やら、それこそ宝塚やら、はたまた、うんぬんかんぬんごにょごにょ・・・という講釈は置いておいて、質問自体は全くもって的外れではありません。むしろ会話のラリーを続けようとしてくれたことに感謝。
いやしかし、全く持ってちがーうっ!断固違う!と思う質問もある。
それが、
「ミュージカル好き=フラッシュモブも好き」
ということ。
なんでそうなるの!?と疑問に思うものの、たまに遭遇する。はて・・・?
なんという大誤解
なぜこんな大誤解が世にはびこっているんだろう?としばしば不思議に思います。
もし、
「あの子はたしかミュージカルが好きだったな。ヨシっ!誕生日はフラッシュモブでお祝いしよう!」
なんて考えている人がいたら、ちょっと待ったをお願いしたい。別にミュージカル好きだからって、フラッシュモブが好きか否かは全く持って無関係だし、むしろ苦手な人も多いんじゃなかろうか。
そもそも、辞書的な定義でいうところのフラッシュモブとは、
フラッシュモブとは、インターネット上や口コミで呼びかけた不特定多数の人々が申し合わせ、雑踏の中の歩行者を装って通りすがり、公共の場に集まり前触れなく突如としてパフォーマンスを行って、周囲の関心を引いたのち解散する行為。
ということだそうです。
フラッシュモブ自体は20年近く前から存在しているけど、ここ数年でさらに注目されているような気がします。個人が動画を投稿できるYoutube最盛期の時代っていうのもあるからかな。
しかし実際のところは、フラッシュモブとミュージカルはかなり親和性が高い。というか、ほとんど切り抜きミュージカルみたいなもんだと思います。どちらも突然歌いだす、突然踊りだすなので。
ただ、決定的な相違点は"サプライズ性があるかないか"だと思います。
フラッシュモブが好きか否かの分かれ道は、決して歌やダンスが好きか否かではない。サプライズが好きか否かによる!
当然、フラッシュモブは完全サプライズであることが醍醐味ですよね。いつもどおりの平穏な街中や校内で突然物語が始まる。最初は唖然とする人々も、だんだんと理解していく。それが楽しいものです。
一方、ミュージカルにはサプライズ性はほとんどないありません。むしろお決まりの"お約束"の空気感を楽しんでる人が多いんじゃないかなあ。
主人公の感情めっちゃ高ぶってるな...くるぞくるぞ...これは歌いだすぞ....ほらきたー!
なんか舞台上に役者ゾロゾロ増えてきた...これは群舞始まるぞ...踊りだすぞ....ハイ、はじまったー!
痒いところに手が届く!
ここだ!というタイミングで期待を裏切らずに歌いだしたり、踊りだしたりするのが楽しい!
というか、もはや一種の快感である!
つまり、ミュージカルには多くの観客が今か今かとウズウズしている定番の流れ・お約束みたいなのがあるわけです。そのため、前述したとおりミュージカルというものからはサプライズ要素はほとんど感じません。むしろサプライズからはるか遠くにいるエンタメだとすら思います。
ミュージカル界におけるフラッシュモブ
フラッシュモブに使用される曲は、流行りのポップスや往年のヒットソングが主流。一方で、フラッシュモブ自体がミュージカルらしい要素を含むことから、ミュージカルソングも頻繁に使用されています。
『レ・ミゼラブル』のOne Day Moreや民衆の歌(Do You Hear The People Sing?)がはフラッシュモブの定番中の定番。
知名度が高いからという理由だけではなく、登場人物が1人ずつ順番に歌いだして最後に皆で合唱するという構成がフラッシュモブにマッチしているんだと思います。
実際に、公式的に決行されたフラッシュモブもありました。
まあこれは実際のところは事前に告知があったし、動画に出てくる人のほとんがフラッシュモブの参加者なのでだいぶ販促イベントチックなんだけども。
他にはPVチックなものもあります。
バルジャン@パン屋から始まるので出落ち感がすごいですよねコレ。
結局何を言いたいかというと
いや、だがしかしどうしても言いたいことがある。
誕生日やプロポーズで何かサプライズを計画しているときは
「あの子ミュージカルが趣味だったな」
という理由でフラッシュモブに直結しないでくれー!
誤解されそうなので一応触れておくと、フラッシュモブ自体は面白いし楽しいし、いいと思います(勝手にやってくれれば)