シンガーソングライター、アイドル、スポーツ選手、作家など、多くの有名人はファンクラブなる組織を持っている。
当然、ミュージカルに出演する俳優・女優も自身のファンクラブを持っています。
ミュージカルファンの中でも、贔屓の俳優のファンクラブのみ入会している人もいれば、全く入会したことがない人もいる。はたまた、複数のファンクラブに入会している人もいる。
などなど本記事では、ミュージカル役者のファンクラブってこんなもんだよ!ということをザックリ解説します。
先に結論から言ってしまうと、
ファンクラブに入会するメリットはもちろんあるんだけど、メリットは年々減ってきている、と筆者自身は考えています。
理由は最後に書いています。まずはさっくりとQAから!
もくじ
ファンクラブに関するQ&A
その1.ファンクラブのある役者とない役者
ミュージカルのキャストは「プリンシパル」と「アンサンブル」に分けられます。
このプリンシパルに該当する人はほぼ全員公式のファンクラブを持っていると考えてOK。デビューほやほやである場合など例外はありますが。
参考
プリンシパル・・・メインキャスト。役名があり、物語を動かしていく役を演じる役者のこと
アンサンブル・・・役名がないことが多く、群衆・兵士・村人など物語の中で何役もの異なる役をシーンによって演じていく役者のこと
アンサンブルとして活躍する役者でもとくに人気のある人はファンクラブを持っていることも稀にあります。
しかし、その多くはメルマガ配信が中心であったりと、”公式ファンクラブ”とまでは言えないようなことが多いです。
ミュージカルに出演している役者は、プリンシパル・アンサンブルのどちらであっても、公式ファンクラブであったりメルマガ会員であったり、入会登録して応援する手段はなにかしら持っていると考えてOKです。
その2.入会方法
役者の公式HPにファンクラブの入会案内があります。そちらに生年月日・氏名住所・メールアドレスなどの個人情報を記入するお申込フォームがあるので、そちらに記入しましょう。
超基礎的なパソコン操作ができれば大丈夫です。
当日~数日のうちに登録したメールアドレスに会費の入金案内が送信されるので、指定された口座に会費を入金します。
ファンクラブ側で入金が確認できたら自宅にファンクラブのルールやら会員証やら一式届くので、これで晴れて会員の一員!
筆者の経験では最速で2日ほど。ほとんどが3~4日で一式が届きますが、稀に1週間ほど時間がかかるファンクラブもありました。
ちなみに、劇場内のロビーにはプリンシパルのファンクラブの案内のチラシがあり、ファンクラブの入会案内であったり特典情報が記載されている。
公演を観て「この俳優気に入った!」と思った人がいれば、とりあえずチラシをゲットしておくことをオススメ。
その3.ファンクラブの年齢層と男女比
もちろん役者自体の年齢やキャリアにもよるので一概には言えませんが、
ファンクラブを占める年齢層は役者本人の年齢には関係なく、役者が歩んできた芸能人生によって決まってくることが多いです。
例えば、
✦元々テレビを中心としたメディアで活躍していた若手イケメン役者であれば、20代30代女性が多め。
✦ミュージカル一本でキャリアを歩んできたような役者であれば40代50代の女性が多め。
✦可愛らしい子役の頃から活躍している女優には父親くらいの年齢の男性が多め。もちろん女性もいるよ。
ただ、共通して言えるのはやっぱり役者とは異性の人が圧倒的に多いかな(宝塚は別)
奥さんが入会しているから旦那さんも会員チケット枠でファンクラブイベントに参加してみた、
なんて光景はたまに見かけますが、男性自身が男性役者のファンクラブ会員です、っていうパターンはあんまりみないかも。
そして、連れられてきた旦那さんや彼氏はだいたいソワソワしている。そして最悪寝る。
その4.自分は少数派or多数派か
「40代・50代のマダムが中心のファンクラブに自分のようなTHEサラリーマンみたいな見た目の人が入会しても浮かない?」
「20代・30代男性ファンが多い元アイドルの女優さんのファンクラブ。40代女性の自分なんか変に目立ちそう・・・」
などなど、もし自分が入会したら自分は多数派なのか、少数派なのか。ということは誰しも一度は考えるはず。
たしかに超少数派の属性の人がファンクラブイベントなんかに参加したら、正直なところちょっと浮くと思う。
でも大丈夫!大体の人は
「こんな層にもファンができるほど●●さんは人気でてきたのか!」
と、むしろ少数派のあなたの存在を嬉しく思うはず。
贔屓の役者さんの幅広い層への人気をあらわす歩く証拠品として、堂々としていよう。
その5.コスパはいいのか、わるいのか
ファンクラブに入会するには当然お金がかかる。相場はだいたいこんな感じ。
必要な費用
・入会金:1,000円+年会費
・年会費:4,000円~6,000円(年1回)
コスパが良いか悪いか、という観点だとお財布事情というよりかむしろ、役者への興味の種類による。
例えば
・贔屓の役者さんの活動はもちろん、バックグラウンドやエピソードまで全て知りたい!
というタイプの人であれば、ファンクラブはコスパ良いなんてもんじゃない!ぜひ入会をオススメします。
が一方で、
・役者としての芝居や歌唱は好きだけど、別に本人自体にはさほど興味ないなあ
というタイプの人にとっては、正直コスパはあまり良くないかも。
というのも、会員特典の詳細については後述するけども、実は特典のほとんどは役者本人に興味関心がないとあまりありがたみを感じない特典が多いんだ・・・
その6.ずばり、入会のメリットと特典は
どの役者のファンクラブ特典も似たり寄ったりなので、だいたい以下の6つ。
①チケット先行予約
やっぱり何よりもコレが最大のメリットだと思います。
役者が出演する公演のチケットを、プレイガイドなどの他の販売よりもイチ早くそして比較的良席をゲットすることができる。
筆者が入会しているとある役者のファンクラブでは、何度かファンクラブでチケットを手配してますが10列目以降の席になったことは一度もないです。
たまたま運がよかっただけかもしれないけど、やはりファンクラブ枠チケットというのは心強い!
また、数ある特典の中でも役者本人の人柄や内面というよりは芝居や歌唱がとくに好きでファンクラブに入ったという人がもっとも恩恵が大きいものでもある。
なので、前述したとおり役者本人自体にはさほど興味ないという人にとってはこのチケット先行以外の特典は、正直あまりメリットを感じないかもしれない。
良席の確保という観点のみであれば、わざわざファンクラブの先行予約でなくても、クレジットカード会社枠の先行だったり他にも色々手段があるからね・・・
②会員限定コンテンツの閲覧
会員にならないと閲覧できないコンテンツを楽しめます。
例えば、役者のブログとか、動画とか。
役者本人が「自分のファンしか見ていない」という認識があるせいか、誰でも見れるオフィシャルなものとは雰囲気が違うので筆者は結構好きです。
動画であれば、口調がとてもフランクだったり率直な言葉遣いであったり。ブログであれば、本心や心情を吐露することもあったり。
また、定期的にファンクラブ向け会報が郵送されます。
頻度はファンクラブによって異なるけど、だいたい半年~3ヶ月くらい。本みたいな冊子だったり、パンフレットのような見た目だったり様々に趣向がこらされている。
この会報は結構いいもんです!筆者は大好き。
内容はというと、役者の日々の活動を画像や文章で詳細に・面白く・楽しくまとめたアーカイブのような感じ。
クールでアーティスティックなパブリックイメージのある役者の会報に「ファンクラブ会員じゃないと絶対見れない!」と思うような表情の画像だったり、砕けた柔らかい文体だったり。
③会員限定イベントへの参加
会員限定のライブ、トークショー、ディナーショーなどファンクラブによって様々に開催されます。
これも役者によりますが、ファンクラブによっては「ファンしかいないイベントである」ということをよく理解してイベントを計画してくれている。
ファンにしか話せないような舞台裏ぶっちゃけトークを役者が話しやすい雰囲気をスタッフが積極的につくってくれたり、ファンとして日頃の感謝や感想を本人に伝えやすいコーナーがあったり。
逆に、コレほんとにファンクラブのイベントなの?っていうのも残念ながら結構ある。
いや何から目線だよって感じですが、ホント、運営とかスタッフのホスピタリティとやる気で全然イベントの満足度が違うんだ・・・
④会員限定グッズの販売
たいていのファンクラブは会員限定のオンラインショップがあるので、そちらで購入できます。
オリジナルスマホケース、Tシャツあたりは定番だけど、舞台役者らしくチケットホルダーを販売しているところが多い。
たぶん物販の収益ってファンクラブ運営にとって重要な資金源なので、経済的に余裕のある人は進んで買うべし。
余談ですが、ファンクラブに入会すると会員証なるもの郵送される。自分の名前と会員No.が書かれたカード。
舞台生活の長い人気役者だと4桁以上のNo.だったり、逆に新進気鋭の役者なら比較的若いNo.になる。
このNo.をみて「へ~、自分の前に入会した人はこんなにいるのか」といつも考える。
⑤バースデーカード&年賀状
自分の誕生日と元旦に届く。大量生産したであろう役者本人の画像つきのハガキがほとんど。
なかには自分の名前と役者のサインを役者直筆で書いてくれるファンクラブもある。
これが意外と、結構うれしいもんです。
帰宅。家のポストを開けてゴソゴソ。ん、なんだこれ。・・・ハッ!○○さんのメッセージ入りカード・・・!
「それほんとに本人のサイン?スタッフの代筆でしょ?ぷっw」
という夢のない人はそもそも入会してはいけないのだ。
⑥選民意識?
もちろん公的な「会員特典」ではないけども、これ結構大きな要素なんじゃないかな。
「自分はファンクラブに入ってまで●●さんを応援しているんだ!」っていう応援の実感というか。
応援する気持ちの度合い=お金、とまではもちろん言わないけど、お金をしっかり消費しているってかなり重要なポイントだ。
「地方住みだから出演舞台はほとんど観にいけないけどお茶の間で応援してます!」
っていうのと、
「出演舞台は必ず毎回観にいきます」
っていうのとでは、もう全然ちがう。
高いチケット代を払って公演を観にいくだけでなくファンクラブや事務所にまでお金を消費しているというのは、熱心なファンとしては結構満足度のある行為なんです、意外と。
前述してきたとおり、先行チケットならファンクラブ枠でなくてもいくらでも確保の手段がある。
それに、昔と違ってSNSがあるからファン同士で友達をつくるためにわざわざファンクラブで探す必要もない。
結論をいうと、正直ファンクラブに入会するメリットって年々減ってきてると思う。
会員特典の代替手段がたくさんあるこのご時勢、
「自分は●●さんを応援するコミュニティにお金を払って属している」
っていう自己意識が、実は最も意味があるんじゃないかな。
最後に:入会するか迷ったら
入会費を払った後に「やっぱり必要ないかも」と思ってもわざわざ解約する必要はなく、1年後の期限切れを待てばいいだけ。
逆に言えば、なにもしなくても1年間は特典を利用できるわけです。
ぜひ楽しいファンクラブライフを!