フランケンシュタイン

『フランケンシュタイン』DVDには映りきらないかも?愛すべきアンサンブルに注目してみよう

2020年2月1日

 

 

2020年『フランケンシュタイン』もついに東京公演が終わってしまいました。2月から名古屋・大阪公演、そして9月にはDVDが発売されますので、まだまだフランケンシュタインは続いていきます。

とはいえ、DVDには収まりきらないほど舞台上の様々な人物の一挙手一投足を自分の目で追うことがフランケンシュタインの醍醐味のひとつ。とくにアンサンブルさんたちの細かいながらも魅力的な表情・仕草のすべては収録されきらないでしょう。

 

ということで本記事では自分用の備忘録も兼ねて、アンサンブルさんの動きに注目したいと思います。

 

HARI
DVD鑑賞しながら「あーここ、映ってないけどあの人があんなことやってたなぁ」と脳内DVDも一緒に再生したいと思います

 

文章は色分けしています

役者さんのお名前:黒太字
セリフ:青太字

 

1幕

ワーテルローの兵士たち

「空を覆う恐怖 そしてそこら中に血の匂い」という一節から始まるフランケンシュタイン。この歌詞だけでもこの作品のエグさが存分に伝わってきますよね。まるで操られているかのように踊る不気味な兵士たち。

皆同じ軍服を着ているので一見分かりづらいですが、発砲する際に全員微妙に違う表情をしています。朝隈さんが演じる兵士なんてかなりガクブルしながら発砲してます。

 

 

負傷した敵兵は2020年は新井俊一さんですが、2017年初演は江見ひかるさんでした。なぜ女性が男性兵士の役をしていたのかは謎です。どなたか知っていたらこっそり教えてください。

 

そしてそして、ヤッキーさんこと安福さん演じる将校の「アンリ・デュプレ少尉だな、貴様!敵を治療しているのか」の美声ですよ。一気にミュージカル始まったー!って気持ちになりますよね。

 

 

実験体と研究員

シーンはビクターの実験室に移ります。4体の実験体と研究員たち。

実験体のみなさん素晴らしいボディですが、筆者は新井さんの実験体が断トツで好きなんです。振り切れた表情とイっちゃってる目が本当に素晴らしい。この時の新井さん、新井さんに全く見えないんですよ。それくらい凄まじい変貌ぶり。ちなみに初演は研究員のほうでした。

 

 

本国版の実験体は髪を剃られた坊主頭ですよね。本国版のほうが気味悪くて好きだな。

「ただ一つだけの未来」の後に登場するウェリントン将軍役の当銀さん。初演から続投です。男前ですよね。

 

ワーテルローの戦いでナポレオンを破った男・ウェリントン将軍は実在の人物です。実際のウェリントン将軍の肖像画はどれも髭生やしてないですけどね。

 

 

平和の時代のパーティ客たち

華やかな終戦パーティの来場者たち。身長に合わせた男女ペアでそれぞれ優雅にチャーミングに踊るところがなんだか愛らしくて好きです。再演でドレスがかなりレベルアップした気がします!初演は割とペラッペラだったような。再演のドレス美しいです。

 

そんな麗しい客たちもビクターのおかえりで一気に冷えた空気に。それ明らかにビクターに聞こえてるだろ!っていう大きすぎるコショコショ話と険しすぎる表情が良いですよね。

 

そしてこのシーンはやはり新井さん演じるウォルター・ヘッセン栗山さん演じるヘッセン夫人の親子でしょう!フランケンシュタインの名アンサンブルだと思います。新井さんは初演から続投ですがヘッセン夫人は初演は福田えりさんでした。

 

福田さんの時のカツラはもう少しダークなカラーだったような・・・?今回は二人ともド金髪でした。再演初日にウォルターのニューヘアーを観たときになんだこの髪はと思ってしまいましたが、親子であることを強調するようなお揃いの金髪になったことで初見に優しい見た目になったかもしれないですね。

 

作中で最もビクターに対して淀みのない純粋な愛を持っているのはジュリアじゃなくてウォルターでは・・・?と思うほどキラッキラした瞳です。実験体と同じ役者とは思えません。このシーン、何度も見てるとビクターやエレンではなくてウォルターに目線がいってしまいます。フランケンシュタインファンあるあるですかね。

ヘッセン夫人も東京公演終盤では観客に微妙に聞こえるか聞こえないかくらいの音量でウォルターを叱っていました。「どうしてわかってくれないの!?」だったり「何度言えばわかるの!?」だったり。こういう細かいお芝居大好きです。

 

 

集団パニック!魔女狩り村人

ジュリアのソロが終わると、エレンがアンリに対してビクターの過去を教える「孤独な少年の物語」に移ります。

ビクターの父バロンは初演は原慎一郎さん、再演は宇部さんでした。ちなみに原さんって初演ではエレンの絞首刑の執行人もやってましたよね。エグイ!

 

バロンの助手は安福さん。あんな気性の荒いお医者様の助手は大変でしょうね。

 

リトルビクターが焼けた母の死体をえっさほいさと抱いて家に持ち帰ったのを「ンギャア~~!死体が歩いてるんだわ!」と超解釈をするお騒がせメイド。この作品のメイドさんって基本的にどのシーンでも全員常に焦り倒してますよね。

そしてそのあとのジュリアの水野メイドさんはなんとリトルジュリアを両手で抱えながら歌います。これ地味にスゴくないですか?

 

 

酒場の客

本作で唯一ミュージカルらしいシーンが見れる「一杯の酒に人生を込めて」に移ります。

ビクターを何発も殴る酔っ払い客の一人の丸山さんは、アンリのおごり宣言が出たあとに隅っこのほうの椅子で一人しっぽり飲んでるんですよね。実は彼は小心者で、ビクターの「この世はもうじき終わる」という発言で不安になってしまったのかもしれません。

 

このダンスシーンの終盤にはアンサンブルさんのちょっとした見せ場があるのですが、実は毎回披露するアンサンブルさんが違うのでリピーターには嬉しいシーンです。

再演でアンリとステップを踏む酒場の看板娘の吉井乃歌さん。「一杯に込められた人生」の序盤でアンサンブルさんが大きくゆったりとした動きで体を回すような振り付けがあるのですが、その時の吉井乃さんのエビ反り体制がスゴくていつも見てしまう。

 

曲のラストでアンリの足を潜って顔を出す木村さんですが、小西さんアンリのときは小西さんの脚があまりにも長いので、ひょいッて簡単に潜ってます!

 

そしてルンゲに伝票を渡す酒場のマスターは朝隈さん。こんなへっぴり腰で甲高い声の頼りなさげなマスターがこの後のシーンで厳つい看守に様変わり。

 

 

またもや集団パニック!いきなり裁判

歌えや踊れの楽しい酒場のシーンから一変、アンリが殺人の罪で村人たちにフルボッコにされています。このシーンを含め作中に何度も流れる「あ~~~人殺し~~~」のメロディ、観劇後しばらく頭から離れない。

「被告、アンリ・デュプレは学生のウォルター・ヘッセンと葬儀屋フランス・コッポラを殺害した罪で・・・」と罪状を読み上げる裁判官は宇部さん。でもこのシーン、上手のほうにウォルター役の新井さんもいるんですよね・・・笑

 

このシーンのヘッセン夫人の「その悪魔を死刑にして!息子を返して~!」が初演から大好きです。初演の福田さんは「死刑にして!」だけ字のセリフでした。福田ヘッセン夫人のこのシーンの迫力凄まじかった・・・!もちろん栗山さんも、慟哭した怒り狂う母親のお芝居にも感激です。

村人たちが舞台袖にハケていく最後の一瞬、栗山ヘッセン夫人の咽び泣く声が小さく聞こえるところが好きです。

 

収監されたアンリにビクターの訪れを告げる良い声すぎる「アンリ・デュプレ、面会だ」でおなじみ朝隈さん看守。ビクターが丸山さん看守に無理やり連れていかれたあと、朝隈さん看守がアンリに手錠をかけるんですが、そのあとクルッと後ろを振り返ってライトの中に消えていく演出がめちゃくちゃカッコいい。

 

アンリが処刑される直前に栗山ヘッセン夫人が上手からゆっくりと歩いてきます。満足げな表情をされていて結構怖い。

 

この後はビクターの生命創造のシーンなので、アンサンブルさんの1幕出番はアンリ処刑で終了です。

 

2幕

結婚式の参列者

「新たな歴史始まるこの時。戦の痛みは過去にうずめて。友に祈ろうこの国と一族の未来を。グラスを掲げ共に祈ろう、繁栄を」の一節で始まります。ビクターとジュリアの結婚式。この1節は1幕のステファン市長のソロ歌唱と同じ歌詞です。

 

ステファン市長遭難を告げに来た山田裕美子さんメイド。抱きあうビクターとジュリアを見て気まずそうに目線を下にやるところがなんともいじらしくて好きです。黒髪パッツンの裕美子メイドさん可愛いです。この後エヴァ様と一緒に血に飢えた悪魔の目で踊り狂うエヴァダンサーと同じ人とは到底思えません。

 

 

ステファン市長を探す村人

行方不明になったステファン市長を松明の明かりと共に探す村人。冒頭の「ステファン市長の消息分からず引きちぎられた飼い犬見つかる」朝隈さんソロが美声。

「また始まるわ不吉な赤い月」でおなじみの鳥かごを持った狂った女の木村晶子さん。再演のパンフレットの役名は「狂った女」ですが初演の可知さんの水晶玉を持った役名はパンフレット上は「占い師」なんですよね。なんで変わったんだろう?

 

村人アンサンブルが円状になって「行方不明~♪」と回りながら歌う瞬間がお気に入りです。

 

 

エヴァ様の手下4人衆

エヴァの犬を食っちまった怪物を探しにきた手下4人衆とカトリーヌ。「誰もそいつ見ちゃいないよ」と文句を言いつつ探す手下ーズ。

手下たちの武器って基本的に棍棒こんぼうか素手ですよね。変な気起こして反乱しないようにエヴァとジャックがあえて銃器を持たせないようにしているのかな?なんて考えました。

 

 

闘技場の客

このシーンはアンサンブル祭り!上にも下にも右にも左にもアンサンブルさんたちでギュウギュウ詰め。何度見ても目が足りません。

 

大きく分けると地上にいるエヴァダンサーズと手下ーズ、階段にいるリッチな観客たち。どうしても地上にいる前者を見がちですが、後者のリッチな観客も結構細かいお芝居をされています。長身の栗山さんの足まですっぽり覆う真っ赤なドレスがカッコよくて好きです。

 

第一ラウンドのファイターは初演から続投の丸山さんと、再演からの白石さん。初演は丸山さんvs.佐々木さんでした。

第二ラウンドは丸山さんvs怪物。丸山ファイターにとどめを刺さない怪物に対して上手のほうで「ハァ?殺せよ!」と罵倒するエヴァダンサー裕美子さんの顔面の迫力がスゴい。

 

手下4人衆のセクシーダンス

色気づいた怪物とカトリーヌのあとにジャックと手下4人衆が披露する「お前は怪物」の場面に移ります。残酷なシーンではありますが、本作では少し異色のジャジーでクールなナンバー!

手下は白石さん、当銀さん、丸山さん、新井さんの4人。初演は白石さんポジションが遠山さんでした。そういえば全員色白ですね。

 

なんと表現すればいいかわからないのですが、曲中で両手を頭の上でクロスさせて手をぴろぴろさせながら上手に移動していく振り付け、めっちゃオシャレでセクシーですよね。あそこ好きです。

 

手下ーズの中にもなにやら序列があるような・・・?それにしても基本的に和気あいあいとした様子です。もしかして闘技場ってアットホームな職場ですか?

 

 

チューバヤvs怪物

闘技場をかけた注目の一戦で怪物の相手となるのは、フェルナンドが飼っている屈強な男・後藤さんチューバヤ。初演から続投で、相変わらずのマッチョボディ。「見てマッチョの胸光る汗」は後藤さんがいるからこそ説得力のある歌詞ですよね。

怪物にとどめを刺す前に闘技場の観客を煽るチューバヤこそ本作No.1のエンターテイナー。

 

ところでチューバヤの目の周りの黒さといい舌といい、ドラクエ11の仮面武闘会にでてくるベロリンマンにしか見えないのは私だけでしょうか。

このキャラクター(しかも結構強いし)

 

 

ジュリアの執事

怪物が闘技場に火を放ったあと、時間軸はステファン市長捜索時に戻ります。

倒れたステファン市長の横に財産目録を握ったエレンの姿をジュリアたちに報告に来た丸山さん執事。初演は佐々木さん。ちなみにこの執事が着ている独特のデザインのコートはインバネスコートという名称がついています。

 

殺意燃え滾るファイター役と同じ役者さんとは思えないほど物腰柔らかそうな執事ですよね。

 

 

裁判なし!いきなり処刑!

ステファン市長殺害の罪で絞首刑にされるエレン。しかしエレンが実際にステファンを殺した場面は誰も目撃していないはずです。それにも関わらず即死刑!吊るしちまえー!あ~~~人殺し~~~!

この町の司法は一体どうなっているんでしょうか。本当に19世紀?ただでさえガバガバ脚本のフランケンシュタインの中でも断トツのガバガバシーンですよ。本作で最も恐ろしいのはビクターの狂気でも怪物の復讐でもなく善良市民たちの集団パニックだと思います(マジで)

 

「まるで我が子のように育てられたのに!」エレンを糾弾する市民の新井さん。初演は遠山さんでした。ちなみに初演で遠山さんがダウンしてしまった回は双子の当銀さんがカバーされていました。

 

 

個性あふれる傭兵部隊

満月割れたら再び戻って痛みの続きをくれてやる怪物を待ち構えるビクターは、怪物を仕留めるために傭兵部隊を雇います。このシーンの傭兵の登場、すごいカッコよくて大好きです。

「気を引き締め見回れ!そこに殺人鬼来ている!」と警戒する傭兵たち。かと思いきやスキットルの酒をこっそり飲んでいたりと、実はそんなにやる気ない様子。そりゃ傭兵だもの。


彼らは正式な軍隊ではなく傭兵部隊なので全員衣装が違うんですよね。これがまた個性が出ていてカッコイイ!みなさんの推し傭兵は?

 

傭兵隊長は当銀さん。初演は佐々木さんでした。初演の佐々木さんの傭兵隊長、ずば抜けて背が高くてまさに隊長の風格でした。傭兵隊長は怪物に衣服を剥ぎ取られてしまったのでたぶん全裸で倒れているんですよね・・・可哀そうに。

 

この後の怪物の「傷」のシーン以降はアンサンブルさんの登場はなし。つまり傭兵たちが散る場面がアンサンブルさんが活躍するシーンの最後です。この後は再びカーテンコールでそれぞれの役の衣装で登場します。お疲れさまでした!

 

 

毎公演超ハード!アンサンブルさんありがとう!

 

この公演のアンサンブルさんって、素人目にもわかるほどハードですよね・・・?いやぁ、本当に毎公演お疲れ様です。

私はフランケンシュタインの個性溢れるキャラクターたちが大好きなんです。ただの脇役じゃなくて、全部の役にそれぞれの人生や生き様があって。役者さんが彼らを本気で演じているからこそ、シーンごとの厚みが増すのでしょう!

 

東京公演の千秋楽のカーテンコールで後列に整列しているアンサンブルさんたちが前列に出た瞬間に拍手が最も大きくなりました。感動的なシーンでした。フランケンシュタインってプリンシパルもアンサンブルも全員本気の本気でぶち当たってる作品だと思います。

 

 

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