1987年から日本で上演されているミュージカル『レ・ミゼラブル』
2019年公演ではマリウス役の三浦宏規さんが20歳で日本史上最年少マリウスとして話題となりました。
レ・ミゼラブル“史上最年少マリウス”三浦宏規、堂々の生歌唱で魅了「人生で経験したことないくらいの緊張」 @hirokimiura0324 #三浦宏規 #レ・ミゼラブル 【ほか写真あり】https://t.co/KusfDuCEsB
— モデルプレス (@modelpress) 2019年1月23日
そこで今回は登場人物別の歴代最年少キャストをまとめてみました。
※オーディション合格時ではなく、実際に上演した年齢でまとめています。
歴代最年少キャスト
ジャン・バルジャン
吉原光夫:32歳(2011年公演~)
ジャン・バルジャンは物語プロローグの仮出獄のときに既に46歳。そして、64歳で死去しています。
つまり、エピローグのシーンは実年齢の倍の年齢を演じてたわけですね(すごい・・・)
2019年公演ではもう5度目のバルジャン役。日本レミゼのジャン・バルジャン=吉原光夫という印象を持っている人も多いと思います。
レミゼは世界初演から25周年を迎えたときに、より現代人にも伝わりやすくリニューアルするため演出がガラっと変わりました。
日本では、1987年の日本初演から2011年公演までは”旧演出版”、2013年から現在までは”新演出版”と呼ばれています。
ジャン・バルジャンは旧演出版では聖人としての印象の強い描かれ方をされてきました。しかし新演出版では「泥にまみれた“犬”が正しい人になろうとする」という演出に変わっていると吉原さんは過去に語っています。
これまで何人ものバルジャンが誕生してきましたが、この新バルジャン像を最も荒々しく、そして繊細に表現しているのは吉原さんだと思っています。もはやプロバルジャン。
実は、エマ・ワトソン主演の『美女と野獣』の吹き替え版ガストンの声優も担当されているんです。劇団四季時代にガストンを実際に演じていました。
ジャベール
上原理生:32歳(2019年公演~)
最年少ジャベールはアンジョルラス役として2011年からレミゼに参加している上原理生さん。
ジャベールはプロローグのときに35歳。死亡時は52歳です。つまり、プロローグはわりと実年齢に近いですが、死亡時は20歳も上振れ。
しかし全く違和感はなかったので、2021年公演以降もジャベール役を演じるのであればより自然になっていくと考えると楽しみです。
次点は鎌田誠樹さんで33歳(2013年公演)でした。
ちなみに、同じく2019年公演でジャベール役を務める川口竜也さんはまさに今52歳で、死亡時のジャベールと同じ年齢。
52才になった
ジャベール が死んだ年
舞い上がらず、焦らず騒がず、自分の今持てる力を全て使い彼を生きよう#レミゼ#初日#誕生日に初日#こんな有難いことはない https://t.co/j9srfb1eQF— 川口竜也 (@tatatatsu0415) 2019年4月15日
上原さんはバルジャンを追い詰めることに楽しささえ感じているようなエネルギッシュなジャベールですが、川口さんは渋さと憂いの強いジャベール。
年齢が20歳も違う役者が同じときに同じ役を演じるって、レミゼ以外の作品ではなかなか見られないことなのでは?と思います。
そして、映画版はラッセル・クロウが演じていましたが、川口さんのジャベールと印象が近いと感じました。
上原さんのファーストソロアルバムには、ジャン・バルジャンのソロ曲「♪Bring him home」が収録されています。
ファンテーヌ
最年少ファンテーヌは2名いました。一人目は
石富由美子:27歳(1987年日本初演~1991年)
続いて2人目は、
和音美桜:27歳(2011年~2017年公演)
ファンテーヌはほとんど30代女優が演じてきたので、20代は歴代でも5人程度しかいません。
和音さんはまさにファンテーヌそのもの。歌唱と美声が群を抜いていることだけでなく、救いのない地獄のような状況に陥ってしまった悲壮感溢れる芝居が絶品。
ファンテーヌ役っていくら表情が苦しそうでも衣服が汚れていても、役者本人が透けて見えてしまって本当は元気そうな感じの印象を受けてしまうことが結構ある。
が、しかし、和音さんのファンテーヌは本当に追い詰められた絶望感が凄まじい。たとえ真顔でも佇まいに生活苦が滲み出てるというか。
和音さん本人は品があって優雅で、まさに女優オーラをまとっているのに。普段と舞台上のギャップにいつも驚かされます。
宝塚に在籍していなければコゼットやエポニーヌも演じていたのでは・・・と惜しいような、ないような。
エポニーヌ
笹本玲奈:18歳(2003年~2015年公演)
当時話題になった最年少エポニーヌ。
元宝塚女優の母を持つ芸能一家に生まれ、笹本さんも子役としてのキャリアが長いです。
最近では出産を経て『マリー・アントワネット』で王妃アントワネット役を演じています。これまで幼い役柄の印象が強かったですが、最近は母親の役までこなす多彩な一流女優になっています。
2021年公演ではファンテーヌ役として戻ってくるのでは、とひそかに予想しています。
初のスタジオ収録ソロアルバムではエポニーヌの代表曲「On My Own」が収録されています!
コゼット
熊谷彩春:19歳(2019年公演~)
なんとオーディション合格時は18歳高校生。なんと2000年生まれ。若すぎる!
小学生のころからミュージカルスクールに通い、将来の夢はずっとミュージカル俳優。そしてあっという間に帝劇デビュー。
モデルやアイドルを経て、タレントとして将来のキャリアに悩みだしてから舞台にも挑戦→なんとなくうまいこと行き、ミュージカル俳優として芸能界生きていくぞ!
という、金の匂いプンプンのミュージカル俳優が多い中、彼女のように最初からミュージカルがやりたくてミュージカルで活躍している女優を見ると、とにかく応援したくてたまらない。
実際にまだ未成年ということもあり、パパっ子感の強い純朴なコゼットでした。
マリウス
三浦宏規:20歳(2019年公演~)
2019年公演で「最年少マリウス」として一躍有名になりました。
5歳の時からバレエを始めており、バレエのコンクールでも何度も入賞経験のある強者。
そのせいか、若干ハタチとは思えないような落ち着いた優雅な雰囲気を持っています。
2019年公演のマリウスは三浦さんのほかに海宝さん・内藤さんと実力派に囲まれていたこともあってか、まだまだ伸びしろを感じる歌声でした。
そして2020年にはシアタークリエで『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』への出演も決定。
これからますますグランドミュージカル界で活躍すること間違いなしの若手俳優。
アンジョルラス
最年少アンジョルラスも2名いました。
原田優一:24歳(2007年~2009年公演)
原田さんは1994年の子役時代からレミゼカンパニーとして活躍しており、ガブローシュ→アンジョルラス→マリウスの3役を経験済み。
最近はコミカルな3枚目役もよく演じているので、最近原田さんのことを知った方なら「え?アンジョルラスだったの?」と驚く人も多いんじゃないでしょうか。
子役時代のガブローシュ役の原田さん。子供にしてはシュッとした精悍な顔立ちの少年が演じることが多いですが、原田さんのガブローシュはちょっと丸まるとして可愛い。
上原理生:24歳(2011年~2017年公演)
一方の上原さんは2011年公演のアンジョルラス役をオーディションで射止め、ミュージカル俳優デビュー。
もともと子役やタレントであったわけではなく、ミュージカル俳優デビューがいきなり帝国劇場のそれもレ・ミゼラブル。なかなか鮮烈なデビュー!
子役からキャリアをがしがし積んできた原田さんと、大学在学中にオーディションに一発合格した上原さん。対照的なキャリアの二人が同じく最年少アンジョルラスでした。
ちなみに2019年公演からアンジョルラス役を演じている小野田龍之介さんは15歳の時にオーディションで最終選考まで残っていたそうです。
「20歳過ぎたらもう一度受けにおいで」と言われたそうな。
2019年は若返り公演?
2019年公演はジャベール・マリウス・コゼットの3人も最年少記録を更新しているわけですね。
なんだか年々演じるキャストの平均年齢が若返っているような気がします。
そして、全体的にみるとやはり子役でキャリアを積んでいる人が最年少になりがち。
2021年公演はさらに若くなるんじゃないかなと思ってます。もう今年で終わりかも?という雰囲気のする重鎮キャストが結構いるので。