
フランツを神聖ローマ皇帝の座に就かせるべく奔走するエディ!
NHKオーディオドラマ『ハプスブルクの宝剣』の第2週11回~15回の感想をまとめています。
こちらの公式HPにて聴き逃し放送も楽しめます。公開期限があるのでお早めに!
もくじ
第11回~15回までのあらすじとサマリー
第11回(2020/3/23)「契約」
● オーストリア帝国は周辺諸国から狙われる状況
● 栗原英雄ケーフェンヒラー登場
● ついに"契約"を果たしてしまうエディとテレーゼ
年若い女性がトップとなってしまったオーストリア帝国は今や周辺他国から格好の獲物に。
今すぐにでも有効な策を練らなければならない断面においても、薄汚いユダヤ人の助言など聞くものですか!と、頑なにエドゥアルトを拒否するテレーゼ。
しかし、そんな我儘を言っていられないほど帝国は他国の軍勢に押し寄せられています。オーストリアの土地は諸国に次々と奪われていきます。ヨーロッパはもはや一つ一つの駒を争うチェス盤状態。
女帝として戦うことを決意したテレーゼは、エディから秘策を聞き出そうと跪きます。
跪きながらも誇りに満ちた表情のテレーゼの姿を見たエドゥアルトは、彼女はもはやただの我儘少女ではないことに気づきます。テレーゼの中に芽生え出した女王の才覚。
「君を必ず帝国の女帝にする」と誓うエドゥアルトに対して「エディ、私を抱いて」と甘い声で懇願するテレーゼ。
さぞ冷たい声で突き放すんだろう...と思いきや、まさかの快諾。
おい!笑
突っ込みどころ満載の本作でも屈指の突っ込みポイント...なんでしょうか。
サブタイトルに”甘美で危険な愛”とある通り、テレーゼとエドゥアルトの禁断の愛は必要不可欠な要素であることは理解しています。
しかし一方で、聴いていて「きゃあ~、二人はこの後どうなるの!?」とワクワクしてしまう恋愛模様というよりも、「えぇ....」と、ちょっと引いちゃうような展開なんですよね。
「フランツすまない、僕はとうとう君を裏切ってしまった」じゃないよ!こんなに応援する気がなくなるシーンは中々珍しい。
第12回(2020/3/24)「ハンガリーの熱い風」
● 知力を駆使して帝国のために奔走するエディ
● ハンガリーの熱血漢、バチャーニとの再会
● 相変わらずエディを想い続けるテレーゼ
年若いテレーゼがオーストリア帝国の君主になるべく必死にもがく中、エドゥアルトも奔走します。
エメリッヒ、ウィーンのケーフェンヒラーなど、時代を彩る重要人物たちとオーストリアが立ち回りやすくなるような契約を次々と取り交わしていきます。
恋愛脳のエドゥアルトはどこに行った?と思ってしまうほどの知将っぷりを見せつけるエディ。コレだよコレ!
天才軍師の皮を被った、ただ色男でしたからね。こういう賢いエドゥアルトを求めていました。
議会に出席するための服について迷うテレーゼに対して、父の喪中なのだから黒にしなさいとアドバイスするフランツ。
そんな何気ない会話から「黒...エドゥアルトの色♥」と頬を赤らめるテレーゼ。フランツ、たまったもんじゃあないよ。
第13回(2020/3/25)「罪と罰のプラハ」
● "ハプスブルクの宝剣"として大活躍を続けるエディ
● ユダヤ人追放の任務をエディに与えるテレーゼ
● ユダヤ人としての心を思い出すエリヤーフー
オーストリアに対して数々の功績を残したエディに対して、それ相応の地位と名誉を授けるべきだとテレーゼに訴えるフランツ。しかしテレーゼは、ゴールは私が真の女帝として君臨する日であると冷たくあしらいます。
初見ではなんて嫌な女だ!と思いましたが、エディをできるだけ長く自分の傍に置いておくためのテレーゼなりの策なのでしょう。
そして、「それでもなおテレーゼが君を認めなかったら、一緒にトスカナに行こう。大公国の高爵位でもなんでも、私が君にやる。テレーゼは置いておく」とエディに語り掛けるフランツ。
フランツは本当に本作随一の人格者ですよね。あぁ、フランツに幸せになってほしい。
エディがテレーゼに提言した国策は次から次へと成功していきます。しかし、テレーゼがエディに新たなに命じた任務はプラハからのユダヤ人追放。やっぱりただの性悪女じゃないか!
きっと小説ではテレーゼなりの苦労や葛藤が表現されていて、音声ドラマではカットされているだけのはず。そう思いたい。いや、そう思わないともう聴いていられない。
プラハに足を踏み入れたエディの目の前に現れたのは、なんと妹同然に一緒に育ってきたドロテーアと、父ロートシルト。
決して言葉は交わさず、目線だけで愛を伝えるユダヤ人家族。ロートシルトはエディの名前を尋ね、「あなた様のご健勝をお祈りいたします」と告げて去っていきます。
このシーン、きっとお父さんはエディが自分の名前をなんと名乗るかで、どう対応しようか見定めようとしたのかな。ここでエディが自分の名前はエリヤーフーだと答えたら、どうなっていたんだろう...
第14回(2020/3/26)「プロイセンの脅威」
● オーストリアとの和議を破ったプロイセンと大激突
● ついにフランツとの真の友情に目覚めるエディ!
帝国の参謀者としてすっかりエディを頼り切るテレーゼですが、とうのエディは心ここにあらず、といった様子。エドゥアルトの心を引き寄せるために頭を悩ませるテレーゼ。
ユダヤ人にもオーストリア人にも、もはや何者にもなれなかったと放心するエディ。自分がすべきことはフランツの友情に報いるために神聖ローマ皇帝の位に就かせるために生きていこうと決意します。
コレだよコレ!!このエディをずっと待っていた!!
やっとフランツとの友情を第一に考えるようになってくれました。随分長い時間がかかったね...
そして、エディはこれまで自分に対して散々な思いをさせてきたテレーゼすら許そうとします。ユダヤ人である自分の意見を素直に受け入れられない頑なさが彼女自身と帝国を窮地に追い詰めたのだと同情するのです。
フランツとの友情のために生きることを決意し、プロイセンを破るために知力をいかんなく発揮し、テレーゼすら憐れみ許す。
殻を破ったエディは本当に素敵です。初めて素直にカッコいいと思えた気がします。一段も二段も高みへと上り詰め、身も心も研ぎ澄まされていくエディ!いいぞ!
ちなみに、プロイセン貴族の娘ゾフィーとピョートルという節が登場しますが、このゾフィーとは後のエカチェリーナ二世のことですね。歴史上、マリア・テレジアと対をなす屈強な女帝の一人です。
『ベルサイユのばら』の作者としても有名な池田理代子先生が彼女をモデルとした漫画を描いています。
クーデターによって夫であるロシア皇帝を廃位させ、自ら女帝となったエカチェリーナ二世の物語です。ベルばらよりもリアリティの強いドロドロとしたエグい仕上がりになっています。面白いのでぜひオススメ。
第15回(2020/3/27)「決戦」
● プロイセンとの決戦に向けて身辺整理をするエディ
● バチャーニ戦場にて散る
● フリードリヒとの11年ぶりの因縁の再会!
ハンガリー人彼女のアンドラーシに「結婚しないか?」といきなりプロポーズするエディ。プロイセンとの決戦の前に婚約すれば、もしエディ自身に何かあっても十分に暮らしていけるだけの資金が出るだろう、と。
エディは本当にアンドラーシと結婚生活を望んでいたわけではなく、死に戦に臨むつもりだったのかなあ。戦場で散る気満々ですよね。
エディはフランツと出会って早13年。かけがえのない親友です。
主人公とその相棒の「出会ってから●年経ったな」という会話がされると、物語もいよいよ終盤なんだなと実感しますよね。そんなフランツをよそに、死亡フラグを乱立させていくエドゥアルト。
そして、舞台はついにプロイセン軍との決戦へ。戦場にてあっけなく散ってしまったバチャーニ。良い役どころでした。
第3週はフリードリヒと再会して終了します。この終わり方、少年漫画のアニメみたいでカッコいい。
人一倍巨大な戦馬に乗ったフリードリヒが鬼の眼光でエディを見下ろす情景が目に浮かびますよね。
「フリードリヒ!」「エ゛ドゥ゛ア゛ル゛ト゛...!」と、互いの名前を呼びあって終了。

第3週の感想まとめ
全20回のドラマも今回で4分の3まで来ました。3月30日から始まる第16回から第20回で終了します。あっという間でした。
やっと覚醒したエドゥアルト
今週のハイライトは何といっても第14回でしょう!
フランツとの友情のために生きていくことを決意したエドゥアルト。人間としてもフランツの親友としても格段に成長したと思います。
第13回までは、テレーゼと引っ付いたり離れたりの繰り返しだったので、正直「またー...?」とゲンナリしてしまうことも多々ありました。主人公の言動としてはどっちつかず過ぎますし、何よりフランツが不憫でならない。
お互いフランツが誰よりも大切だとわかっているのに、なぜいつまでも関係を続けるんだろう?と聴いていてちょっとイラだたしく思ってしまうことすらありました。
このまま全20回終わるまでずっとこんな浮かれポンチの恋愛脳だったらどうしようと危惧していたので、第14回の覚醒エドゥアルトには拍手喝采を送りたい!
そうそう、それだよエディ!という気持ちになりました。聴いていて最も爽快感のある回だったかも。
ダークホース?大山真志バチャーニ
中川エドゥアルト、田代フランツ、加藤フリードリヒ、野々テレーゼの4人がメインキャストですが、大山バチャーニが意外とハマりました。
本作のダークホース的存在かもしれません。
大山さんのことはもちろん舞台上で拝見したことはありますし、若手ながら舞台のキャリアもかなり幅広い役者さんです。ただ、ごめんなさい、正直に言うとそこまで実力派という印象はありませんでした。
お見かけするたびに恰幅がよくなっていくなあ...と、どうしても外見の印象が強くなってしまって。
しかし音声で聴くとなんとも心強く魅力的な芝居と声質であることに気づきました。大山真志さん、いいじゃないですか!
ハンガリー人であるバチャーニは、本人が熱い男であるだけでなく、エドゥアルトと視聴者に対してハンガリーの活気と自由が溢れる熱風を感じさせなければならない役どころです。
大山バチャーニが登場すると土地の雰囲気がガラッと一変するような感じがしますよね。
ヨーロッパ諸国の地名がややこしい作品なので、声だけでハンガリーを感じさせるって結構スゴいことだと思います。バチャーニが陰気臭いヤツだったら説得力がなくなってしまいますからね。
エドゥアルトはバチャーニと一緒にいる時だけ少年、いや悪ガキのような声になりますよね。フランツとは一味違う種類の熱い友情。
豪胆、豪傑、熱血漢であるハンガリー人のバチャーニ役が大山さんでよかったと心から思います。超適任!
次週はついに最終ターム
長いようで短かった連続20回『ハプスブルクの宝剣』も来週で終わってしまいます。
個人的に気になるポイントとしては、やはりエドゥアルトの生死について。この手の作品の主人公では十中八九生き残らないだろうなぁ...と予想しています。
