2020年11月東急シアターオーブ公演のミュージカル『プロデューサーズ』に関する豆知識です。観劇していて「ん?」と不思議に思ったシーンが何度かあったので調べてみました。
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※若干ですがネタバレ注意です。観劇後の閲覧を推奨します。
①会計士レオのサンバイザー
レオが務める会計事務所の会計士たちはサンバイザーを被りながら作業をしています。『プロデューサーズ』だけでなく20世紀後半が舞台の映画でたまに見かけるこの光景ですが、実はきちんとした背景があります。
職業上、正確な数字を記入することが重要であったため、職場は必要以上に明るく照らされていたそうです。そのせいで目が疲れてしまうのを防ぐためサンバイザーを身に付けています。会計士だけでなく銀行員や郵便局員も同様だったとか。
②フランツが飼育する鳩
ナチ狂のフランツ・リープキンは8匹の鳩を飼育しています。これはフランツがただ鳩が好きなオジサンというわけではありません。実はあの鳩は軍鳩(ぐんきゅう)といって、今のようにネットワークが発達していなかった時代の情報伝達手段です。つまり軍事用の伝書鳩。
ちなみに8匹の鳩のしっぽにはフランツがマックス&レオに渡す鍵十字の腕章をしっかり身に付けられています。
③クライスラービル
ロジャー邸でティアラを被ったロジャーが発する「クライスラービル」という単語。人名ではなく、マンハッタンに実在する超高層ビルの名称です。ロジャーのドレスとティアラはこのビルの印象的な頂部に似ているのです。
④Break a leg
「頑張って!」という応援の意味として登場する慣用句。作中では、演劇の世界でGood luckという言葉はむしろBad luckを呼び込むと信じられているのよ、とロジャーがレオに教えてくれます。
ただし言葉の起源は諸説あり、カーテンコールで何度も膝を折ってお辞儀するくらい大成功しますように!という説もあるんだとか。
⑤グロリア・スワンソン
上演5分前に急遽代役を務めることになったロジャーが発する人名。超名作映画『サンセット大通り』の主役ノーマ・デズモンドを演じた大女優のお名前です。
緊張と不安に震えるロジャーは大女優のパワーにあやかろうとしたのでしょう!
⑥ネオンを彩る作品名
物語のラストシーンでは、マックス&レオが手掛けたであろう8作品のタイトルのネオンサインが掲げられています。実は実在するミュージカル作品をもじったタイトルになっています。
例えば左下の『South Passaic』は『South Pacific(南太平洋)』のオマージュでしょう。ちなみにPasaaicはアメリカのパセイーク都市のこと。
他にも『42nd STREET』をもじった『48th STREET』だったり、『A Streetcar Named Desire(欲望という名の電車)』をもじった『A Streetcar Named Murray』だったり・・・何個気づきましたか?
以上、6つの豆知識でした。他にも何か面白い情報があったらぜひ教えてください!
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