もくじ
お一人様=恥ずかしい?
世間一般では、お一人様=恥ずかしいという風潮があるようです。
我々オタクにとっては全くもってありえないことですが、一人で観劇に行くなんてありえないと考えている人たちも一定層いるようで、
「行きたい公演があるんだけど一人だと浮くよね?」と相談されることがよくあります。
一人でも全く浮きません。大丈夫!
一人で観劇している人の割合
劇場内に一人で観劇に来ている人の割合ってどれくらいでしょう?
結論から言うと、実は誰にもわかりません。
本当にわからないんですよ。なぜか?
劇場内で「あの人、一人で来てる」と断定できる理由がないからです。
劇場で過ごす時間
ミュージカルや舞台は大きく5つの時間に分けることができます。
このいづれの時間においても、他の観客をお一人様or複数人どちらであるか見分けることはできないんです。
劇場内の時間
● 開演前:開場から上演まで
● 上演中:---
● 幕間 :休憩時間
● 上演中:---
● 終演後:終演から劇場を出るまで
●開演前
入り口ではバラバラに入場して、劇場内のロビーや座席で待ち合わせする人もたくさんいます。
だから一人で入場する=お一人様とは限らないわけです。しかも、一緒に来たとしても離れた席で観劇しているパターンもあります。
どうしても他の観客の目線が気になるなら、上演の直前(10分前~5分前)に入場すればいいです。くれぐれも遅刻はしないように!
●上演中
あたりまえですが上演中は真っ暗ですし、観客は舞台を見ています。同行者とお喋りなど言語道断。
もし上演中に一人で来ている自分に目線が集中しているならば、それは何か重大なマナー違反をしているからです。もし観劇に慣れていないのであれば、事前に観劇マナーを予習してから楽しもう。
●幕間
お一人様がいちばん孤独を感じる時間かもしません。15分~25分間一人で過ごさなければなりません。トイレに行っても売店に行っても一人・・・
「あの人一人だ!」と思われそうで不安ですか?大丈夫です、全く思われません。複数人で観劇していても幕間中は別行動する人も多いです。
自分はお手洗い、友人1は売店、友人2は喫煙所。むしろ別行動派のほうが多いくらいかもしれません。どうしても気になってしまうなら、チケットの半券があれば再入場できる劇場がほとんどなので一度劇場の外に出てしまうのもありです。
幕間で暇なときは
● パンフレットをじっくり読みこむ
● 売店のグッズを物色してみる
● 劇場内のレストランでカフェを一杯
● ロビーにいる人の会話を聞いてみる
● 1幕のお話を振り返ってみる
● 2幕の展開を予想してみる
●終演後
みんな興奮状態なので他の観客のことなど頭に入ってきません!冷めやらぬ興奮で前後不覚です。
ちなみに千秋楽公演は普段の公演日よりも劇場内の忘れ物が2~3倍に膨れ上がるそうですよ。それくらい観客は興奮状態に陥るということです。
そもそも一人でも周りは気にしない
そもそも、一人観劇は何も珍しいことではありません。
公演の種類や日程にもよりますが、体感的には半数はお一人様です。あの人は一人だ、あの人は複数人だ、と他人をジロジロと物色する人も中にはいるかもしれません。でも、こんな人本当に稀です。
ほとんどの人は舞台・役者さん・物販のことで頭がいっぱいなので他の観客のことなど見ている余裕はないのです。
一人で居て困ることは何もない
一人で過ごしても何も困ることはありませんし、入場から退場まで一言も発することなく過ごすも可能です。
筆者はたまに一人でディズニーリゾートに行くんですけど、ディズニーの場合は何かしら言葉を発したりコミュニケーションをとる必要があるんですよね。
アトラクションやショーで必ず人数を聞かれるし、キャストさんにこんにちはぁ~!と明るく手を振られたら無視できないし。
ショーを待っているときに「ちょっとトイレ行ってくるんで荷物見ててちょ!」って頼まれちゃうし。
観劇の場合はチケットをもぎられるときに「お一人ですか?」なんて聞かれませんし、劇場のスタッフや他の観客に話しかけられるなんてことまずないです。
「あの人一人だ」とコソコソされたら
「やだ!あの人一人で来てるよーw」
もしも万が一こんなことを言われてしまったら?スルーしましょう。
徹底スルーです。あぁ嫌味な人がいたな、運が悪かったな、と思って冷静にやり過ごそう。実際に声に出したのがその人だっただけで実は周りの人みんな同じように思ってるんじゃ・・・と不安にならないでくださいね。
一人観劇にはメリットがいっぱい
①予定が立てやすい
まず何よりも予定が立てやすいです。誰かの都合に合わせる必要がないので自由自在。
とくにミュージカルの場合はダブルキャストといって、公演日によって1つの役を複数人の役者さんが演じることが多いです。そのため、同行者がいる場合は単純に日程を合わせることに加えて観たいキャストの都合も考慮しなければいけないのです。
・この日ならお互い空いてるけど休演日じゃん
・この日も行けそう!あ、チケットもうない日だね
・チケットまだ残ってるけど私は仕事の日だなぁ
・人気キャストの日は連番チケットがないね・・・
などなど、なかなか都合を合わせるのは難しいです。特に人気公演の場合は一人で計画するのですら結構難しいですからね。
その過程が楽しいのよという人もいるかと思いますが、めんどくさいと思うタイプならお一人様ほど楽なことはありません。
②良席を狙いやすい
例えば上図のような場合、二人で観劇しようとするならステージから遠い2席連番を選ばざるをえません。でも一人なら迷いなくステージに近いほうを選べますよね。
良席を狙いやすいのは確実に一人です。
③微妙な作品でも気まずくならない
友人や恋人と観た作品がコメントに困るような微妙な作品だったとき。正直辛いです。
特に、その作品にそこまで興味のない人を連れてきてしまった場合は地獄ですよ。わざわざ高いチケット代払ってまで来てくれたのにこんなつまらない公演見せてしまった・・・っていう罪悪感すごいんです。
④じっくりと感動と余韻を味わえる
つまらない作品の場合のダメージが少ないだけでなく、良作に出会えた高揚感をじっくりと味わうことができます。
帰路の電車やタクシーの中でも、なんだか温泉から上がったみたいにずっとポカポカする感覚になるんですよね。
友人と一緒の場合は「最高だったね!」と気持ちよく発散できる良さもありますが、あぁ良いもの観た・・・というじんわりした幸せみたいな感覚は一人観劇の時のほうが大きいし長持ちするような気がします。
男性一人は目立つのか
ところで、男性一人の場合はどうでしょう?
一般的に舞台やミュージカルは女性客のほうが圧倒的に多いです。あくまで主観ですが、ミュージカルのジャンル別男女比はこんな感じ。
ジャンル別観客の男:女
・劇団四季 ⇒4:6
・東宝 ⇒2:8
・宝塚 ⇒1:9
・2.5次元 ⇒0:10
劇団四季の場合
男性客の割合は4割くらい。作品の種類にも寄りますが、日本の舞台の中では最も男性客の割合が多いです。カップルや家族連れの男性だけでなく、一人で来ているであろう男性客もたくさん見かけます。
劇団四季の公演は男性でも全く浮きません!ご安心を!
東宝・ホリプロ系の場合
劇団四季と比較するとちょっと少なめ。平均2割、多くて4割くらいかな。原作が男性にも人気のある漫画や映画だったり、男性ファンの多い女優さんが出演している公演は4割ほどまで多くなります。
生田絵梨花さん、桜井玲香さん、水樹奈々さんあたりが出演している公演は男性客めちゃくちゃ多いですね。
劇団四季に比較すると男性客の割合は減ってしまうけど、浮くことはまずありません。
宝塚の場合
だんだん厳しくなってきた・・・宝塚の場合は1割くらいかな。男性客はかなりマイノリティになってしまいます。
それだけでなく、劇場の雰囲気が他と比較するとかなりキラキラした雰囲気なので「女性向けだなぁ」という印象を持ってしまうかもしれません。
カップルや夫婦は見かけますが、完全な男性一人かな?という観客ははあまり見かけません。
2.5次元系の場合
見渡す限り女性!男性客などほぼ皆無!!カップルや家族連れすらほぼ見かけません。
男性もいるっちゃいるけど大半は手ぶらにスーツの関係者っぽい方ですね。観劇慣れしていない男性一人で参戦するのは正直かなり勇気がいるんじゃないかと。
正直目立つこともあるけど嫌がられているわけじゃない
公演のジャンルによっては男性客一人だとどうしても目立ってしまうこともあります。
そのため男性でも全く目立ちません!気軽に劇場へ!なんて無責任なことは言えないです。
でも安心してください。「なんで男がいるの?」というキツい視線ではないのです!
・誰かのファンなのかな?
・原作のファンかな?
・好きな作品だから男性客も入るほど有名になったことが嬉しい!
・楽しんでくれてるのかな・・・?
などなど、単純に観劇している理由が気になるだけです。
SNSを見ていると「男性のお客さんもノリノリだった!」みたいな投稿って結構多いんですよ。応援している役者さん主演作品で男性のお客さんが居眠りしていたりつまらなそうにしていると、なんだか切ない気分になってしまうんですよね。
しかも最近はもともと男性ファンの多いアイドルや声優が出演することが増えたので、男性客の母数自体かなり増えてきている印象です。
一緒に行く人がいないだけで諦めないで
最後にですが、
「せっかく観たい公演があるけど一緒に行く人がいないからあきらめよう・・・」
というのは本当にもったいない!
観たい公演を諦める理由は人によってそれぞれ異なります。
・チケットが確保できなかった
・仕事をどうしても調整できなかった
・小さい子供のお世話や介護
・家庭の事情や冠婚葬祭
・行動できないほど精神的に参っている
・引越しや転職などで環境が大きく変わった
・怪我や体調不良
これらの事情を乗り越えて大好きな観劇にありついているわけです。だから、同行者がいないなんてだけの理由で諦めるのはもったいなさすぎる!!
まとめ
● あなたが一人でも周りは気にしない
● そもそも一人かどうかは意外とわからない
● 迷ってるくらいなら行ってみよう
● 何よりも重要なのは観劇マナーを守ること