花總まり 歴史

【2019年東京】ミュージカル好きがハプスブルク展に行ってきた!花總まりさん音声ガイドもあるよ

2019年10月19日

ハプスブルク展に行ってきたよ!

 

”ハプスブルク展”とは?

2019年10月19日~2020年1月26日まで@上野

 

ハプスブルク展とは、ヨーロッパにて栄華を極めた王族の600年の歴史を一挙に楽しめる展覧会!

その王族とは、まさにハプスブルク家と呼ばれる家系です。

 

 

驚異の一族、驚異の蒐集(しゅうしゅう)というサブタイトルが付いています。

ハプスブルク家は世界中にネットワークを張り巡らせ、巧みな政略結婚と巨万の財力で最盛期はヨーロッパだけでなく現在のアジアや南米までその勢力を拡大しました。

その名の通り、まさに驚異的な一族なのです。

 

・・・表向きにはこのような説明ですが、

ハプスブルク家はとにかくその濃すぎるキャラと強すぎる個性が魅力的なんですよね。

漫画の登場人物かと思う程、良い意味でも悪い意味でも強烈な人物が多いんです。

 

華麗さの裏に秘めた人間臭さ。これが現代まで愛される一族である理由かと思います。

 

そして、今年2019年は日本とオーストリアの友好150周年記念なのです。これを記念して様々なイベント・催しが開催されており、本イベントもその一環ですね。

 

1869年から仲良しなのです!

 

オーストリアの国旗って日の丸と同じ赤と白の2配色なんですよ。知ってました?

 

オーストリア国旗

 

また、150周年を記念して宝塚歌劇団では記念公演『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』が上演されます。

 

背景もしっかり白×赤のカラーリング!

 

美術館へのアクセス

開場は東京・上野にある国立西洋美術館。

JR上野駅徒歩1分。ほぼ目の前なので電車で来る場合は迷うことはないでしょう。駅構内にも案内があるので、道中にスマホで確認する必要もなさそうです。

 

 

上野駅を出ると上野動物園に行く人やら美術館に行く人やら、とにかく人がたくさんいるので、行列についていけばOK

ほんの30秒ほど少し歩くと、マルガレータ王女の可愛らしい姿が見えてきます。

 

 

すぐに到着!

 

 

通りがかりの人の「可愛いね~、どこの子?」

 

物販とグッズ情報

館内に入るとすぐに物販があります。

帰りがけにも必ず通る場所なので、先に展示物を回ってからでもいいと思います。

必ずゲットしたい目当てのものがある場合は先に買ってしまって、あとのグッズは展示を見たあとゆっくり物色、という2段階でもいいかもしれません。

 

物販も手荷物も、展示物を見る前にロッカーに預けた方がいいです。

 

美術館内にあるロッカー@100円

 

中は結構混雑しているので、自分の荷物が周りの人に当たってしまわないか気になってしまって鑑賞に集中できなくなります。

 

HARI
ちなみに利用料金は100円です!

 

音声ガイドの借り方

本イベントでは音声ガイドを借りることができます。

 

【所要時間】約40分
【当日貸出価格】550円(税込)
【ナレーション】花總まり/梅原裕一郎


トップミュージカル女優の花總まりさん、人気声優の梅原裕一郎さんによる解説音声を楽しむことができます。

 

借りる方法ですが、道なりに進んでいけば音声ガイド貸出コーナーの横を必ず通過するので、見落としてしまうことはまずないはず。

借りる時に係の方が「ご利用は初めてですか?」と聞いてくれるので、利用方法に自信がない場合はそこで聞いておくとよいでしょう!

 

ちなみに音声ガイドを借りるブースが激混みだったので筆者は諦めました・・・

借りている人は圧倒的に女性が多かった印象です。単純に時間帯の問題かもしれませんが、花總さんや梅原さんのファンの方が多いのかも?

 

ちなみに花總さんはあまりにも数多くの女王を演じ過ぎたので、これまで演じてきた女王が作中で歌うナンバーをまとめて披露する女王コンサートを開催します。

【関連記事】花總まりが演じた歴代女王役の魅力を徹底解説(東宝編) -プレミアムシンフォニックコンサートに向けて-

 

ミュージカルに登場するハプスブルク家

ハプスブルク家は人気ミュージカルの常連なのです

 

筆者はミュージカルが好きなのですが、実はミュージカル作品にはハプスブルク家の人物が題材となった作品が多いのです。

 

今や日本で一番チケットが取れないミュージカル作品『エリザベート』は、ハプスブルク家の滅亡を描いた作品で、作中の歌詞にも「ハプスブルク」という言葉が数多く登場します。

 

今回の記事はミュージカルファン視点の感想です!

 

ちなみに、親戚同士で結婚しまくったので奇形児や異常なシャクレ率を誇る一族としても有名ですよね。

遺伝子が近い人間が交配するのはあまり良くないようです。

 



 

不穏で勇ましい甲冑たち

まず展示会に入ると、甲冑が鎮座したブースからスタート。

 

 

このツイートの3枚目の画像です。

遠目で見るとただのシンプルな甲冑なのですが、近寄ってまじまじと見るとデザインや模様が緻密で繊細。

力強い、というよりは美しかったです。

 

ようこそ、と言わんばかりに隊をなして鎮座しています。

誰もいない夜中だと、相当な迫力だろうなぁ・・・

 

ミュージカル好きなら『エリザベート』の「♪ママ、何処なの?」を思い出すはず。

少年ルドルフを囲う甲冑の一人が突然動き、銃を手渡し印象的なシーン。

 

マルガレータ王女

ミュージカルファンにはあまり馴染がないかもしれませんが、ベラスケスが描いた今回の展示会の目玉です。

 

『青いドレスの王女マルガリータ(1659年)』

 

少し緊張しているような不安げな瞳ですが、生で見るとさらに緊張感が伝わってきます。

まだ幼いのに顔つきはしっかりハプスブルクハプスブルクしています。一族の血の濃さがわかりますよね・・・

 

年配の方たち数名が何度も可愛い可愛いと言っていました。

堂々とした歴代の権力者たちの肖像画に囲まれてひとりちんまりとしているので確かに可愛いです。

 

しかしこの肖像画はわずか8歳のマルガレータの”お見合い写真”として描かれた肖像画です。

可愛らしい絵画の裏には、政略結婚で繁栄し身内同士の結婚で滅亡したハプスブルク家の運命を背負った少女の覚悟のようなものがあるわけですね。

 

「ラス・メニーナス(女官たち)」という絵画はおそらく誰しもが一度は見おぼえがあるはずです。

この中央の少女もまたマルガレータ王女。美術史上最も有名な少女かもしれません。

 

『ラス・メニーナス』

 

こんな可憐な王女ですが、実は21歳の若さで亡くなっています。

15歳で結婚してから21歳で亡くなるまで6人もの子供を産んでいます。妊娠出産を短期間で繰り返しすぎたため、身体が弱り亡くなったとされています。

 

ハプスブルク家の「産めよ、増やせよ」の政略結婚の犠牲になった悲しき王女なのです・・・

 

マリア・テレジア

進んでいくと、18世紀の最盛期を誇るハプスブルク家のブースに到着。

そこで一層大きなオーラを放つのがマリア・テレジアの肖像画。

 

『マリア・テレジアの肖像(1745年~1750年頃)』

 

女性でありながらハプスブルク家の最盛期を築いた人物。

旦那を差し置いて卓越な政治の才能を活かしてハプスブルク帝国の基盤を固めた最重要キーマンです。

 

この肖像画は少し暗い印象があったのですが、実物はかなり力強い神々しさがあります。

自信に満ちた瞳。全盛期そのものを具現化したみたいな作品でした。

最盛期を築いた人物の肖像画にしてはサイズが大きすぎないことも、彼女が大事にした謙虚さや上品さが表れているのかなぁ。

 

しかし、皇帝は男性にしか即位できなかったので肩書はあくまでもオーストリア大公。歴史上最も有能な政治家はマリア・テレジアでは?という声さえあるほどの優秀っぷり。

彼女に2020オリンピックを仕切ってほしかったですね。

 

16人の子供を産んで、女子はほぼ全員政略結婚の道具とされました。

優雅で知的な娘を優遇し贔屓する一方で、出来の悪い娘をとことん突き放すなど冷徹な一面も持ち合わせていたとか。

 

マリー・アントワネット

マリア・テレジアの娘で、フランス王妃。ギロチンの露と消えたことはあまりにも有名。

わがままで傲慢な女王というイメージがあるかもしれませんが、どちらかというと、とことん運の無かった女王です。

 

母であるテレジアの肖像画と比較すると、とにかくサイズが大きい。今回の展示会で断トツで大きい肖像画じゃないかな?

目に入ってきた瞬間に「おぉ・・・これが・・・!」と息をのむ肖像画です。

 

王妃の大のお気に入りだった女流画家ルブラン夫人が描いた23歳ごろのマリー。

 

『王妃マリー・アントワネットの肖像(1778年)』

 

ドレスも髪型も、誰よりも派手で大胆。

「謙虚でいなさい、女優のようなファッションはやめなさい」と何度も娘に手紙を送った母テレジアの想いなんて、まるで伝わっていないことを暗喩しているかのような肖像画。

 

とはいえ、この肖像画のマリーからはとにかく優しげな印象を受けました。

親近感と言ったら少しおかしな表現かもしれませんが、「わぁ、素敵・・・」と呟くと、そっと微笑んでくれそうな柔らかな佇まい。

 

ミュージカル『マリー・アントワネット』の冒頭のフェルゼン伯爵のナンバーで、フェルゼンはマリーのことを優しくであどけない子供のようだと歌います。

”あどけない”というフレーズがあまりしっくりきていなかったのですが、この肖像画を見てなんとなくわかった気がします。

 

マリーの肖像画の周りには若い女性が多かった。

「綺麗だね」「可愛い」「こういうの着てみたい」という会話が聞こえてきたり。

 

宮廷のファッションリーダーだった彼女は貴婦人たちから常に羨望の眼で見つめられていました。

革命の炎に巻き込まれ散った彼女ですが、200年以上たった異国の地でもそのカリスマ性はなお健在なのかもしれません。

 

関連記事:フランス革命ミュージカルの主役になるべきギロチンで処刑された4人の女性革命家

 

フランツ・ヨーゼフ

さて、さらに進んでいくと末期のハプスブルク家のブースです。

実質的に最後の皇帝となるフランツ・ヨーゼフ1世。

 

 

今回の展示会でこの肖像画が最も印象的でした。何とも言えないオーラと世界観だった。

 

600年にも及ぶハプスブルク帝国の崩壊と共に人生を歩んだフランツ。

息子を自殺で失い、最愛の妻エリザベートを暗殺で失い、彼の苦渋や後悔が伝わってくる作品です。

 

この肖像画、生で見ると本当にリアルで驚きます。

ほとんどの肖像画は、威光や美貌を表現するために生命力に満ちた陶器のような肌質をしていますが、フランツだけは違う。

 

何十年間も生きてきたことを証明するかのようなシミや皺、くすんだ瞳。力が入っていないことがわかる手の開き方。

血管すらリアルに表現されています。

 

今にも喋りだしそう、というのはまさにこういうことか・・・と。

 

そして、彼の目線の先に鎮座するのが妻エリザベートの肖像画です。

 

エリザベート

ハプスブルク展の最後の展示物を飾るのはハプスブルクの美の化身と呼ばれたエリザベート皇后。

 

『薄い青のドレスの皇妃エリザベート(1858年)』

 

そこまで大きな肖像画ではないですが、エリザベートの周りには老若男女問わずたくさんの人だかりが。

入り口から順路通りに沿って行くと、この肖像画が最後の展示物です。

 

美容の鬼であったことをこれでもかと言わんばかりのウエスト。

ちなみに晩年の写真でもこの細さと抜群のスタイル。

 

扇で顔を隠すエリザベート

 

 

筆者はどちらかというとシシィの星の髪飾りの振り向きざまの肖像画が好きです。

 

こっちは展示されていません

 

この振り向きざまの肖像画は夫であるフランツが「これほどまで本物の皇后を描いた画はない」と絶賛したんですよね。

確かに展示されているエリザベートは、表現が雑で申し訳ないのですがちょっとアニメタッチというか、あまりリアルな感じはしないです。

 

最後に気づいたんですが、フランツ・ヨーゼフの肖像画って少し右側を見つめているじゃないですか。

この視線の先にエリザベートの肖像画があるんです。

 

若く美しい皇后エリザベートを見つめる老いたフランツ。

まるでフランツが亡くなった最愛の妻の若き姿を思い出しては悲しんでいるような配置でした。

意図的なのか偶然なのかはわかりませんが、ぜひ見て欲しいポイントです。

 

 

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グッズ

マリー・アントワネットや女王マルガレータなど、ハプスブルク家の有名人をモチーフとしたグッズが販売されています!

これを手に入れてハプスブルクマスターになろう。

 

じゃーん!

 

筆者はマリーの便せんやエリザベートのチケットホルダーなど実用的なグッズを買いました。

 

キャンディー

 

このキャンディーおすすめかな?

中には普通のキャンディーが8粒入っていますが、ケース自体はアクセサリーを入れたりしてずっと使えるかなと思い購入。

 

チケットホルダー

 

エリザベート柄のチケットホルダーを開くとフランツが!

マリーとマルガレータのチケットホルダーには、開いても誰もいませんでした。

 

フランツは常に最愛の妻を見つめているんだね・・・

 

他にもスマホケースやマグカップ、アクセサリーなど実用的で可愛いグッズがたくさん販売されています。

ただし、レジのときに「現金のみです」で言われたのでご注意を!!

 

まとめ!

 

行ってよかった!!

ミュージカル好きにはたまらない展示会でした。

 

筆者は初日に行ったので結構混雑していました。見ようと思っても人だかりで見えないこともしばしば。

もう少し日にちを置いた11月以降の平日に行くとかなり快適に見れるかな?

 

おまけ

HARI
オススメの本を紹介するよ!

 

 

ファッション誌のような読みやすさで、マリーやシシィについてだけでなくルドルフとマイヤーリンクで心中した娘についての解説など、まさに細かすぎて伝わらないハプスブルク。

タイトルは”女たち”ですがフランツ・ヨゼーフなど男性の解説もたくさんあります。

 

ヨーロッパの歴史を舞台としたミュージカルが好きなら絶対に楽しめる1冊。

 

表紙

 

なんだかゴシップ週刊誌のような表紙ですが、中身はいたって真面目な本です。

 

開くとシシィが!

 

背表紙にもシシィが!

 

ハプスブルク家の裏話、エピソードを全て網羅した1冊です。

写真や図録がかなり多いので、雑誌感覚でさらーっと読んでも楽しい。

 

HARI
おしまい!

 

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